根抵当権とは、継続的に発生する債務を一定額まで担保するための抵当権のことです。抵当権と異なり、担保すべき債権が特定されていないことが特徴です。
例えばB会社と取引のあるA銀行が、B会社に融資することによって生じる金銭債権に、担保権の設定を受けておきたい場合で考えてみましょう。
根抵当権ではなく、抵当権の設定を受けた場合、被担保債権は特定の債権となります。そのため、新しく追加融資をして金銭債権が生じた場合には、別の抵当権の設定を受けなければならなくなってしまいます。
追加融資をするたびに抵当権を設定していたのでは手間もかかるし、登記費用もかかります。また追加融資をする際、抵当権を設定する不動産に後順位抵当権が設定されていた場合には、今回追加して設定する抵当権は当該抵当権に劣後することになり、担保としての実効性にも乏しくなってしまいます。
根抵当権であれば、設定行為において、AB間の銀行取引によって生じるAの債権を被担保債権としておきさえすれば極度額の範囲内で、全ての融資債権が根抵当権によって担保されるから、普通抵当権のような問題は生じません。
☆抵当権と根抵当権の違い
抵当権がある特定の債権を担保するのに対し、根抵当権は不特定の債権を極度額の範囲内で担保します。
たとえば、抵当権は1000万円なら1000万円の債権を担保するのに対し、根抵当権では、1000万円までは何回でも担保します。そのため、抵当権は住宅ローンに代表されるように1回限りの取引の際に利用され、根抵当権は小売店が問屋から仕入れるときなど、継続的な取引の際に利用されます。
また、抵当権の被担保債権が譲渡された場合、抵当権も譲受人に移転します。一方、元本確定前の根抵当権の被担保債権が譲渡されても根抵当権は譲受人には移転しません。譲り受けた債権が根抵当権によって担保されるためには、根抵当権設定者の承諾を得て根抵当権を譲渡することが必要となります。
ただし、根抵当権の元本が確定した後は普通の抵当権になりますから、根抵当権設定者の承諾を得なくとも債権譲渡による根抵当権移転登記ができます。
楠本









