法律用語の豆知識~「及び」「並びに」

大勢の法律家が列席したとある結構披露宴でのこと・・・。
 ある人が「新郎並びに新婦は…」と祝辞をやりだしたところ、
「新郎並びに新婦ではないっ! 新郎及び新婦が正しいのダ」

という野次が飛び交ったとか。
 これは真偽のほどは定かでない笑い話ですが、法律家はこれ位、「及び」と「並びに」を厳格に使い分けています。

このように、日常生活の中ではあまり意識することのない接続詞が、法律の世界ではどのように使われているのかをご紹介していきたいと思います。

 

☆「及び」「並びに」
「及び」「並びに」は、どちらも並列的接続詞として使われます。「および」「ならびに」とひらがなで書いても同じ意味です。

 

 

(1)「A及びB」

結合される語が同じ種類だったり、同じレベルのものの場合は「及び」を使い、「A 及び B」 となります。

  

  例…「リンゴ」及び「みかん」

 

 

(2)「A,B及びC」

同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」でずら~っと結合して、最後に「及び」をもってきて、「A ,  B 及び C」 となります。

 

  例…「りんご」、「みかん」及び「バナナ」

  例…「りんご」、「みかん」、「バナナ」 及び 「マンゴー」

     
  りんご  
     
  みかん  
     
  バナナ  
     
  及び  
     
  マンゴー  
     

 

                       

(3)「A及びB 並びにC」

つぎに、結合される語の種類(たとえば果物と野菜など)が違っていたり、別のレベルのものの場合は、「並びに」を使い、「(A及び  B) 並びにC」 となります。

 

  例…「りんご 及び みかん」 並びに 「トマト」

 

  例…「りんご、みかん 及び バナナ」 並びに 「トマト 及び キャベツ」  

   ※前のかたまりが「果物グループ」、後ろのかたまりが「野菜グループ」、この2つのかたまりをつなげているのが「並びに」です。

    果物グループ
  リンゴ
   
  みかん
   
  及び
   
  バナナ
   
     
  並びに
    野菜グループ
  トマト
   
  及び
   
  キャベツ
   

 

 

(4)「A及びB 並びにC 並びにD」

結合される語が3段階以上になる場合は、一番小さな結合に「及び」を使い、それ以上の段階には「並びに」を使い、「[(A及びB)並びにC]  並びに D 」 となります。

 

  例…「 『りんご 及び みかん』 並びに 『トマト』 」 並びに ソーセージ

    ※一番小さなかたまりが『果物グループ』

             『果物グループ』と『野菜グループ』との連結が中グループ「生鮮食品」

             「生鮮食品グループ」とソーセージとの連結が第3段階(加工食品グループ)になっています。

        生鮮食品
      果物グループ
    りんご
    及び
    みかん
     
       
    並びに  
       
      野菜グループ
    トマト
     
       
         
    並びに
        加工食品
    ソーセージ  
       

 

 

 

    小さな連結を「小並び」、大きな連結を「大並び」といったりします。

 

 

☆ちなみに…

英語の「及び」「並びに」は、いずれも「and」です。したがって、英文契約書に「and」が出てきたときは、「及び」なのか「並びに」なのかを的確に読まなくてはいけません。

A and B (A及びB)A,B and C (A、B及びC)A,B,C and D (A、B、C及びD)A and B,and C (A及びB並びにC)A,B and C,and D (A、B及びC並びにD) この場合、「* and *」を「及び」と訳し、「,and *」を「並びに」と訳します。

 

 

楠本
 

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